2月16日に小田急相模原で発生した人身事故を受けて、小田急電鉄ではすべての特急ロマンスカーにおいて前展望の使用を中止する決定を下した。
リンク: 【お知らせ】特急ロマンスカー前展望席の使用・発売中止について.
「お客さまにより安心してご利用いただけるよう対策を講じてまいります。」とのことだが、どんな対策だろうか。
おそらく「絶対に割れない窓ガラス」など一般的にあり得ない。また「正面だから危ない」という理屈は一見わかりやすいが、では側面や後方が危なくないかと言えばそうでもなく、バラストの跳ね上げや投石によって割れるという可能性は側面のほうが多いだろう。過去にはJR四国管内で特急の側面窓ガラスが何らかの原因で割れて、乗客に死者を出したこともあったと記憶している。
極論を言えば、鉄道車両においては窓ガラスの存在自体が危険だ(あくまでも極論)。
–以下、追記–
個人的な想像だが今回の小田急の処置は、窓ガラスが割れたということへの対策だけではなく、ロマンスカーの前展望に人が飛び込んだという衝撃的な事実に対して、冷却期間を設けるという意味合いもあるのではないかと思っている。Yahoo!の動画ニュースなどで事故のニュース映像を見るとわかるが、おそらく現場はかなり悲惨な状況だったと思われるからだ。確かにこのようなことは二度と起きてはいけないし、この件を引きずったまま前展望というサービスを提供することには問題があると、小田急が判断したのではないだろうか。
「ホームドアor柵を設ける」「前展望を廃止する」など以外に根本的な解決策はないと思うが、冷却期間を設けるという意味であるならば、前展望の使用中止は賛成だ。