小田急がノロノロ走る理由


小田急電鉄 2200系(デハ2214)鉄道コレクション 第3弾(トミーテック)

こんなWebサイトを見つけました。「トレインシミュレータと鉄道を愛するページ「第一閉塞進行!」というサイトの中の1コンテンツです。小田急の記述について一部を引用させていただきます。

リンク: Train Simulation – 保安装置解説.

小田急のOM-ATSは、変周式です。信号機の手前3箇所と、任意の地点で速度照査を行うことができます。減速・注意・警戒信号はそれぞれ75km/h、45km/h、25km/hですが(〜中略〜)速度照査は点で行うため、途中で現示がアップしても、次の地上子までは速度を上げることはできません。

わかりにくいですが、小田急がノロノロ走る理由のひとつはコレです。

鉄道の信号はひとつひとつの区間(閉塞)に対して示されます。

Aという区間が「注意」、Bという区間が「警戒」の信号だったとしましょう。電車はA区間に「注意」で進入します。その次のB区間は「警戒」でしたが、A区間走行中にB区間の信号が「進行」になりました。しかし、電車はA区間を抜け出すまでは「注意」の速度で走らなくてはいけません……というのが小田急の仕組みです。

A区間に「注意」で進入した直後に、B区間が「警戒」から「進行(青信号)」に変わってしまうと、せっかく目の前はオープンな状態なのに、A区間を脱出するまで下手すれば数百メートルをノロノロ走らなくてはいけません。無駄なノロノロ運転です。

そこで運転手は先を読みます。

あなたが乗っている急行電車に対し、A区間が「注意」、B区間が「警戒」の信号だとします。B区間のさらに先は「停止」のはずです。その原因を作っているのは前を走っている各駅停車。この各駅停車は、次の駅であなたが乗っている急行の通過待ちをします。したがって、各駅停車が待避線に入った直後、急行電車に対する信号(本線上の信号)はパパパッと「進行」に切り替わるわけです。

おわかりでしょうか。

信号がパパパッと「進行」に切り替わっても、B区間に「警戒」で進入してしまうと、B区間を脱出するまで下手すれば数百メートルを25km/hでノロノロ走らなくてはいけません。繰り返しますが、無駄なノロノロ運転です。ならば、やがて信号が青になることを見越して走る、つまりB区間が「警戒」から「進行」になるまで、あえてチンタラ走るのです。もちろん「停止(赤信号)」に対しても、なるべく止まらずに済むようにギリギリまで微速前進を行います。

別のサイトも紹介させてください。

リンク: 小田急線の運転に関して.

小田原線急行の場合、ラッシュの帰りの電車が本線上に詰まっているので頻繁に注意信号になったり警戒信号になったりします。このような場合、本職運転士はなるべく列車を止めずに動かしていきます。例えば注意信号の手前を30km/hで走り、その信号が減速信号になるタイミングを取るなど・・・もし注意信号のまま通過すれば、次の地上子までの区間を45km/h以下に抑えなければなりませんが、減速信号になった後に通過すれば75km/hまで出すことができ、時間のロスを抑えることができます。このような側面から見ると、この方法はOM-ATSをうまく活用した運転方法だと言えますね。

と、いうことなんでございます。
これも小田急なりに安全性を追求した結果の信号システムなわけですが、今となっては古いというわけで、もっと効率良く運転ができるように、新しい信号システムに更新するそうですよ。

リンク: 小田急電鉄 – 社会・環境活動.

新列車制御システム(D-ATS-P)-
小田急では、抜本的な安全性の向上をめざして、新たな列車制御システムの導入に向けた取り組みを進めています。
このシステムは、各列車が先行列車に追突しないように信号情報の送信機を通じてブレーキを自動的に作動させることを可能にするほか、最新のデジタル技術を活用してきめ細かな速度制御が可能となります。また、踏切内でトラブルなどが発生した際は、その情報を接近してくる列車に知らせ、自動的にブレーキを作動させることもできます。このシステムの導入により、ヒューマンエラーに起因する運転事故を防止し、列車運行の安全性がさらに向上します。
今後は、このシステムの導入に向け、調査および詳細設計を行います。

D-ATS-Pが導入されると、通勤時のイライラもだいぶ解消されるかも?


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「小田急がノロノロ走る理由」への1件のフィードバック

  1. 長年の疑問が(2007年と古いコラムですが、検索していてここにきたものですみません。)
    なるほど~今現在2011年でも複々線がかなりできても、多摩川の橋が複々線になっても、ノロいのは相変わらず、前に電車がいないんだから、速く走れよコラ。特急とっくに通過していったんだから、オタオタしてないで、すぐ出発しろよ。新百合が丘で。東急のほうがずっと動作がキビキビしているじゃないの。と。なるほど信号ですね。現在はシステムは少しは変わっているのでしょうか。まだ体感はないです。通勤帰りの新宿発19時20分快速急行が百合が丘駅で1分ほど必ず停止すること。ドアあけて客降ろせるじゃないの。と思う毎日です。

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