いしたにさんが、新しい定課金型コンテンツ配信サービス「cakes(ケイクス)」について書いていました。
週150円で読み放題どころか、最適化までしてくれるデジタルコンテンツ配信サービスケイクス(cakes)の第一弾執筆者として発表されてしまっております:[mi]みたいもん!
世の中、電子書籍だのなんだのと、この秋に向けて、さらに騒がしい様子ですが、それを尻目に、ウェブでいいじゃないと言ってくれるデジタルコンテンツの配信サービスが始まります。
Webベースで、週150円の課金で、いろいろなコンテンツが読み放題。コンテンツを提供する側も、マーケティングに参加しながら収益を受け取ることができるというプラットフォームです。
第一陣の執筆者というか、コンテンツ提供者も発表になっています。
デジタルコンテンツの有料配信プラットフォーム cakes(ケイクス) 一般向け正式オープンに先立ち、第一弾執筆・登場予定者を発表! – Piece of Cake, inc.
ケイクスのティザーサイトにアップされている、ピースオブケイク代表取締役CEO・加藤貞顕さんのインタビュー記事が興味深いです。
とくに第3回の、このあたり。
ピースオブケイク代表取締役CEO・加藤貞顕インタビュー 【第3回】検索の時代からパーソナルソーティングの時代へ。 | cakes(ケイクス) クリエイターと読者をつなぐサイト
加藤 そこでぼくは、これからのインターネットは「パーソナライズ」と「ソーティング」がキーワードになると思っているんです。
そして、ここ。
ピースオブケイク代表取締役CEO・加藤貞顕インタビュー 【第3回】検索の時代からパーソナルソーティングの時代へ。 | cakes(ケイクス) クリエイターと読者をつなぐサイト
加藤 そうなんです。 cakes は会員制の有料サイトなので、ログインしてからコンテンツを読んでもらうことになります。すると、その人の閲覧履歴を独自のアルゴリズムによって解析し、「こんな記事も好きかも」「こっちにも興味あるかも」とオススメのコンテンツを上のほうに表示するようになっているんです。
読めば読むほどその人の好みがわかってオススメの精度は上がっていくし、コンテンツが埋もれることもなくなる。本人にとってどうでもいいコンテンツは上がってこないから、ノイズやストレスも少ない。
これを読んで、メディアプローブ・藤村さんのこの記事を思い出しました(同じことを書いてる、という意味ではないです)。
Blog on Digital Media › キュレーション 逆説的メディアの構想
「たくさん読みたがる読者に向けたメディア」、その逆に、「(たくさん)読みたくない読者に向けたメディア」。
この二つを分け、後者について考えみようということです。
もうひとつはこの記事。
誠 Biz.ID:アイデア発想実践記:IT業界人3人が思う、雑誌を買わなくなった44の理由 (1/3)
そもそもは欠点列挙法についての記事なのですが、ネタが雑誌だったので。この記事の中で雑誌の欠点として『読みたくないコンテンツまで一括パッケージになっている』っていうのが挙げられているんですね。
前後しますが、そういえば藤村さんが書かれたものにも、こういうものがありました。
「未来の雑誌」 その実現シナリオを検討する(藤村厚夫) – BLOGOS(ブロゴス)
私たちの眼前には、すでに多くの電子雑誌が登場している。
しかし、“未来の雑誌”はそのようなものではない。
それは プラットフォームであり、従来の雑誌から記事のアンバンドル化を一挙に推し進め、お勧めリストから、購読、そして閲読へといたる一貫した体験を提供するアプリとなる。
ここで紹介した各記事、TumblrとFlipboardを使っている人なら、(Webがいいのかアプリがいいのかという議論はあるでしょうが)みんなストンと理解できるのではないでしょうか。
誠 Biz.IDの記事に出てきた『読みたくないコンテンツまで一括パッケージになっている』みたいなことを言うと、必ず「自分が読みたいと思った記事以外にも出会いがあるのが雑誌の良さ」「読みたい記事しか読まないなんて視野が狭くなって恐ろしい。タコツボ。」みたいなことを言う人がいます。とくに出版側にね。でもそういう話じゃないと思います。
2012年、読者は読みたい記事が読みたいのです。そこに「タコツボ!」なんて言って抗うのは意味がありません。で、私は私の読みたい記事を読みたい、それ以外は時間も限られてるし別に……と思っている読者に「!」「?」と思わせて、読むつもりがなかったものを読ませちゃうのが、これからのライターと編集者とデザイナーとエンジニアの腕の見せ所ではないでしょうか。
Flipboardでお金が払えて、受け取れればそれがいいんだけどなぁ。「もしかして自分の記事がFlipboardで読まれてるかも!」と思う発信者が自分で、YouTubeの動画を収益化するがごとくFlipboardに申請して、読まれた回数等に応じてインセンティブを受け取れる……とか。