「one of them」には、「〜の中のひとつ」と「その他大勢」という意味があるけど、だいたいにおいては前者の意味で使われているのではないでしょうか。2004年2月に行われた『PAGE2004』(印刷関連、とくにプリプレス機材やソリューションのセミナー&見本市)のJPC共催セミナーにおいて、その世界では有名なマスター郡司氏が「only oneよりone of them」と話していたのが印象に残っています。そのときのセミナーレポートをJPCのために書いたはずなんだけど、もう見当たらない。しかたがないので私のテープ起こしから一部を紹介します。
印刷などは、唯一無二からワンオブゼムになってしまったと思います。オンリーワンでいばるより、ワンオブゼムを認めてその中でビジネスをしたほうが幸せです。あと10年で定年の人は、10年安泰ですよ。オンリーワンだと、最後ヤバイですよ。あと3年で会社がつぶれたらヤバイでしょ。老後を幸せに過ごすためには、ワンオブゼムを粛々と受け止めてビジネスをしていくことを考えたいです。
さすがマスター郡司、ですね。氏は、JAGATのWebサイトでもこう言っています。
リンク: プロファイル乱用は事故の元.
RGBワークフローとはRGBデータを基本として、その基本のデータになるべく忠実に再現しようとする極めて単純なフローです。かつてはこの中心データにCMYKが君臨していた(CMYKフロー)のですが、印刷はOnly One MediaからOne of themにシフトしているのです(かといってまだまだ特等席にいることは忘れないでください)。themのメディアはWebだったり、ビデオだったり、DVDだったり、インクジェットだったりと、元RGBデータに対して忠実に再現しようとするメディアはたくさんありますが、印刷もthemの一つだと割り切って考えてください。
最初に紹介したほうは、もう4年前の話です。
雑誌とか新聞とかっていう単位で見ていくとだいぶしょっぱい話が多い昨今ですが、チラシ、駅貼りポスター、DM、パンフレットなどなど——紙メディア全体で考えていくと、まだまだ大きな力を持っています。もちろん、数は減っていくでしょう。だからこそ、確かな効果が求められる。そして安定した品質が求められる(そう言われて早ン年という感じではありますが)。おかしな言い方かもしれませんが「確固たるone of them」、つまり大勢の中の一つだがちゃんと存在感は示しておく。そういうことが求められているのだと思います。
でもこれって、紙メディアに限った話ではありませんよね。意外と受注側のほうが、こういうことを忘れがちです。
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