東京の大手私鉄は、沿線郊外に住宅地を建設して人を住まわせました。そして、朝夕のラッシュ時以外にもお客さんに乗ってもらうため、都心側のターミナル駅に百貨店を建設しました。週末には家族連れに乗ってもらうために、沿線の観光開発を行い、遊園地や野球場を作ったりもしました。
しかし、こと「都心側のターミナル」に関しては、迂回させなきゃいけないし、集客もしないといけないという相反する要素を抱えています。もう、何十年もです。
東京では大手私鉄やJRの多くの路線と地下鉄が相互直通運転を行っていますが、それらは各社局が勝手にやったわけではなく、当時の運輸省の政策に基づいて実行されています。郊外からの通勤通学客によりパンク状態にある都心のターミナル駅、そして山手線や中央線の混雑緩和のため、都心部では都電を撤去して(渋滞緩和にもなる)地下鉄を建設し、そして大手私鉄や国鉄との相互直通運転を行わせたのです。
そしてこれらの計画で基本とされたのが「ターミナル駅迂回」です。
政策として、山手線に人を乗せたくないのです。乗せないためには、山手線と接続するターミナル駅を迂回させるように地下鉄を敷き、相互直通運転をさせることでした。
だから、一部の例外を除いて、郊外への路線と地下鉄との接点は、こうなりました。
京急線と浅草線=品川(そもそも品川はターミナルとして認識されていないw)
京成線と浅草線=押上(上野を迂回)
伊勢崎線と日比谷線=北千住(浅草を迂回、山手線ではないけど)
東横線と日比谷線=中目黒(渋谷を迂回)
東西線と中央線=中野(新宿を迂回)
東西線と総武線=西船橋(秋葉原等を迂回し中央・総武緩行のバイパスとして)
千代田線と常磐線=北千住(上野を迂回)
千代田線と小田急線=代々木上原(新宿を迂回)
東上線と有楽町線=和光市(池袋を迂回)
ターミナル駅迂回の原則から外れているのは、比較的新しい時期に作られた地下鉄路線から。具体的には京王線と都営新宿線がそうです。
さて、話題の渋谷駅の話をしてみますが、日比谷線は東横線の中目黒接続にして渋谷を迂回する一方、路面電車の玉電を廃止して新たに建設した新玉川線区間(田園都市線の二子玉川〜渋谷)は渋谷に通してしまいました。
書いている本人がわけわからなくなったので、続きは次のエントリーで。