JR北海道・江差線の存廃問題

以前から話題にはなっていた、JR北海道江差線の廃線問題が、いよいよ具体化しそうです。


江差線廃止問題:JRが沿線3町に正式提案- 毎日jp(毎日新聞)

江差線の木古内−江差間(42・1キロ)の廃止についてJR北海道は3日、小池明夫社長も出席して地元説明会を江差町で開き、廃止を正式に提案した。沿線3町長は代替交通手段の確保への協力を条件に受け入れを表明した。JRは14年春の廃止を計画しており、3町とJRは今月にも代替問題について協議会を発足させる。


このちょっと前に、北海道新聞にこんな社説が出ていました。


「江差線」存廃 道南振興の視点が大切(8月10日)-北海道新聞[社説]

大切なのは、木古内―江差間の存廃問題を道南の交通体系の中でどうとらえるかだ。そうした大きな視点がなければ、廃止は単なる不採算部門の切り捨てに終わってしまう。

 檜山管内は、海の幸や海岸沿いの奇岩、歴史的景観、民謡江差追分など豊富な観光資源がある。

 しかし、それらが十分に生かされているとは言い難い。公共交通による移動手段が限られていることが一因とも考えられる。

 新幹線停車駅の木古内は、本州から訪れる観光客の檜山管内への玄関口になり得る。そうした情勢も踏まえて、渡島半島全体の振興につながる交通網整備を進めるべきだろう。

とはいえその記事内で、

 11年度の輸送密度(1キロ当たりの1日平均利用者数)が41人とJR北海道の中で最も低く、大幅な赤字で収支改善が期待できないためという。

……とも書かれています輸送密度41人は、さすがに「鉄道の使命を終えている」とされてもしかたがない数値です。ローカル線の廃止問題になると私はいつも同じことを言っているような気がしますが、「それでもインフラとして必要だ」というなら、地元自治体が積極的にコミットするしかないでしょう。もちろん、赤字でも必要なインフラというのはあると思います。本当に必要なら、赤字であっても(なるべく赤字を小さくする努力はしつつ)維持されるべきでしょう。