あの会社から仕事をもらっている立場として少し書いておく

英語サイトの猥雑な記事で問題になった某新聞社のグループ企業だった、某出版&就職情報サービス会社。今はグループとは言い難い状態ですが、それでも資本のつながりはあるし同じビルにいます。一般世間から見たら同じ「系」とみなされるのは当然です。で、その会社の子会社がエロ本を出していて、就職活動をテーマにしたグラビアを、会社の会議室を使い、皇居をバックに撮影していたという……。他にも、企業の制服を着せたグラビア、大学ネタなどがあるらしく(画像等はここでは紹介しません)。

恥ずかしながらその子会社の存在は知りませんでしたが、親会社(新聞社のことじゃないよ)からは頻繁にお仕事をいただいているだけに、私もショックでした。懇意にしている編集者に連絡してみましたが、彼もショックを受けていました。そりゃそうでしょう、自分の会社のオフィスであんなことが行われていたなんて。

それにしても、なんと脇の甘い会社でしょう。私はこの問題を新聞社の件と絡めて論じる気はサラサラありませんけど、それにしたって、この会社の総務や法務は、そして経営陣は、いったい今まで何をしていたのでしょう。

この出版&就職情報サービス会社とお付き合いするようになったのは近年のことなのですが、確かに「脇の甘さ」みたいなものは時おり感じていました。

例えば「(改正下請法に基づく)発注書をお願いします」と言っても、未だに「編集部としての書式は無いので……」と言われ、各編集者が独自フォーマットで送ってきます。昨年などは「(発注書が法律で義務づけられていることを)知りませんでした」と言われたこともありました。言えば送ってくれるので、送ってくれない会社より数段〜数十段マシなのですが、「とはいえどうなのよ」と。発注書の件に関して言えば編集者を責めるつもりはなくて、それよりも「法務が仕事をしてないな」という思いのほうが強いです。

いくら大多数の社員がマトモだとしても、統治が甘いようではバカの暴走を防ぐことができません。そして僅かな人間が起こしたその暴走は、会社全体に大きなダメージを与えます。社員みんな一緒くたに見られて、社員の士気にも影響するでしょう。クライアントは腹が立つでしょうし、ユーザーは退くでしょうし、私のようにその会社と仕事をしている人もガッカリします。何一つ良いことはありません。会社のCIを変えて大塚愛やシカオちゃんを起用する前に、やることがあったはずです。

「脇の甘さ」と同時に「余裕の無さ」みたいなものも、なんとなく感じます。

とにかく、残念です。

ライターというのは、その出版社と仕事をしているのではなく、媒体や各編集者と仕事をしているという意識を持っています。この会社の、今いっしょに仕事をさせていただいている媒体や編集者は、ちゃんとしたものです。他所の出版社にいがちなバカ編集者とも、幸いなことに今のところ出会っていません。彼らの頑張りに応えるべく、私は今後もこの会社と仕事を続けるつもりです……なんて、微々たる量の取引しか無い私が言っても、意味ないかもしれませんが。

でも、子会社の出していた雑誌を事実上の廃刊にするだけで済まされる問題ではないと思います。子会社を解散し、子会社の役員を兼任していた社長さんが辞任……くらい、当然ではないでしょうか。