阪神淡路大震災から間もない頃。トラックドライバーの友人から電話がかかってきました。「復興に必要な物資を届けるトラックに同乗してほしい」というのです。私はトラックの運転などできません。また、彼の会社の規定にも反するでしょう。それでも電話がかかってきたのは「ひとりで運転していたら絶対にヤバイ」スケジュールだったから。ヤバイというのは、居眠り運転の危険性が高いという意味です。
首都圏からガスの配管を積んで西宮に向かい、同時に現地で壊れた重機をピックアップし神奈川県内まで送り届けるのを一泊二日で行うという業務でした。出発日の昼間、ふつうに仕事をした後で、です。
そんな状況ですから、役に立てるのであればと、同乗しました。
夜になって東京を出て、吹田までひたすら高速道路で進みます。途中すれ違ったのは、いったん所属基地に帰るのでしょう、おびただしい数の自衛隊車両でした。もちろん、自分たちが進む方向にも自衛隊車両はいました。深夜の高速を走り通して、まだ真っ暗なうちに吹田で下りて西宮港で待機します。
夜が空けると落橋した西宮大橋が見えました。
さて、待機場所とされた西宮大橋から指定の現場に行くまでが、大変。道路がガタガタですし、国道2号が大渋滞なのです。一般車通行止めだった阪神高速は、災害復旧工事に必要な車両ということで、事前に許可証も出ており(コピーも出回ったそうですが)走ることができますが、下道がものすごい渋滞。なかなか現場に着きません。
もちろん、帰りも高速に乗るまでは大渋滞でした。
帰りの高速道路で見たのは、おびただしい数の給水車です。関西の給水車だけでは足りず、とにかくそこら中の自治体の給水車が応援に来ているのです。
そういう車両を必要としている人々がいます。
そういう車両を優先させてあげてください。よろしくお願い致します。
なお、トラックドライバーの友人は帰路の運転中に本当に寝オチしかけて路側帯に進入、私が大声を張り上げてなんとかなりました。さすがに仮眠しました。救援物資を運んでいる方も、そういう状況です。少しでも渋滞が減れば余裕が生まれ、ドライバーさんは仮眠や食事ができます。
ぜひ、お願いします。