札幌〜東京 鉄道乗り倒し記

ちょっと前の話しだが、春分の日に札幌から東京まで鉄道で移動した。前日が札幌出張で、1泊してその帰路に挑戦したわけ。飛行機嫌いだし、天気悪かったし(飛行機が揺れるのがとくに嫌い)。

S_hokutoまずは札幌〜函館間を「スーパー北斗6号」で移動する。函館本線経由じゃなくて街の多い室蘭本線経由で進む、振子式の新世代ディーゼル特急だ。どういう変速システムになっているのか知らないが、なんだかマニュアルシフトのバスに乗っているようなサウンドがする。せっかくICレコーダを持っていたのだから録音すればよかったが、そこまで気が回らなかった。車内はビジネス特急という感じだが、雰囲気は悪くない。窓ガラスも広くて気持ちいい。振子式なのでカーブでは大胆に車体が傾き、車内の移動には少々神経を使う。乗り物酔いする人は気をつけたほうがいいかもしれない。

Shasou_02この日は風雪が強く、とくに札幌近郊は吹雪いていた。したがって、発車してからしばらくは一面の銀世界。それが南千歳あたりにくると雪が弱くなり、さらに海沿いに出て苫小牧まで来ると、ほとんど雪がないのだから不思議。その後、東室蘭や長万部など主要な街に立ち寄りながら函館へと進む。北海道の特急は、停車駅が近づくときに流れる自動放送で、「○○の次は、およそXX分で△△に止まります」みたいなことを案内するのは親切だと思った。飽きそうで飽きない景色を眺めたり、北斗星と交換したりしながら函館を目指す。いちばんのハイライトは、大沼へ向けての峠越えかな。上りもすごいが下りがすごかった。大沼の景色も良くて、満足。そして3時間30分あまりかけて、ようやく函館に着いた。

Foma函館はすっきりと晴れているが、とにかく風が強くて人が少ない。国道原票のところから市電を撮って、仕方なく近くのドトールに避難した。函館からは「スーパー白鳥」に乗るのだが、スーパー北斗6号とちょうど良い接続の列車はなく、1時間待つことになる。次に函館に到着するふつうの「北斗」と連絡するようになっているのだ。この1時間、休憩にはちょうど良いが、移動時間のことだけ考えるともったいない。

S_hakuchoというわけで、お弁当を買って「スーパー白鳥24号」に乗車。スーパー北斗と同じようなスタイルをした電車特急で、津軽海峡線を走り、青函トンネルをくぐって八戸まで走る。青函トンネルをくぐってみたかったというのも、鉄道で移動した理由のひとつだ。津軽海峡線という名前は案内上設けられたもので、実際は函館本線/江差線/海峡線/津軽線という構成になっている。函館を出てからしばらく走る江差線の区間で「遅い」と感じたようだ。だって、ローカル線そのものなんだもん。

Seikan_shanai海峡線に入ると、とたんにスピードを上げて快調に走り始めた。やがて青函トンネルに入る。が、基本的にはトンネルなので退屈そのもの。正真正銘の海底トンネル部分を走っている頃は、見事に寝ていた。トンネルを出てしばらくすると、今度は津軽線の区間に入り、みるみるスピードが落ちる。再びローカル線の風情。車窓には海、さらに下北半島が見えているようだ。そして青森に到着し、ガラッとお客さんが入れ替わる。進行方向も変わって八戸を目指す。東北本線はさすがに東日本の大動脈らしく、滑るようにカッ飛ばしていく。それでも八戸に到着した頃には、函館を出てから3時間が経過していた。車内のデザインがイマイチだったかな、スーパー白鳥は。

Hayate_hachinoheさて、八戸。駅から見るとそれなりの街のようだが、駅前には何もなかった。仕方なく、ここでもドトールで時間をつぶす。祝日ということもあって、ちょうど良い接続の「はやて24号」の席が無くて乗れず、またしても1時間ほどの待ち時間ができたのだ。まぁ、すぐ乗り換えるよりも気分転換の時間があったほうがいいかもしれない。その後の「はやて28号」に乗って大宮へ。八戸から盛岡までは各駅に止まり、それなりの人が乗ってくる。盛岡の次は仙台で、そこで乗客が大幅に入れ替わった。もしかしたら席が無いと言われた「はやて24号」でも、盛岡までは乗れたかもしれない。そこで盛岡始発の「はやて26号」に乗り換えれば、30分早く大宮に帰れたという可能性もある。でもまぁ、いいか。仙台からは大宮までノンストップ、僅か1時間17分だった。札幌から八戸まで6時間半も乗車してたのに!

060321_lse大宮からは、湘南新宿ラインのグリーン車を奮発。もはやグリーン料金が安い土日祝日しかグリーン車に乗る気はしない。二階建てグリーン車の平屋部分で快適に過ごすつもりが、バカサラリーマンが音出してケータイをいじってるので、iPodでCOLDPLAYを聞くことによって「遮音」。そして新宿からは小田急線、もちろんロマンスカー。ちょうど良いタイミングで唐木田行き「ホームウェイ」があったので、新百合ケ丘まで乗車。さらに各駅停車に乗り換えて、町田方面へ。最寄り駅からはタクシーで1メーター。自宅に帰り着いたのは、札幌を出て13時間後だった。

札幌から函館までが、やっぱり遠かったかな。札幌で仕事を終えた後、函館まで移動してから1泊というシナリオもあったんだけど、そっちのほうがよかったかも。でも、札幌市内の吹雪に怯んだんだよね。まぁ貴重な体験ができて結構楽しかったし、飛行機が嫌いでも札幌から12〜13時間で東京まで帰れることがわかって良かった。

Sappolo_sidenオマケその1、吹雪の札幌。
噂には聞いていたが、確かに傘をさしている人はほとんどいなかった。
この日は、傘など無駄になるだけという感じの風だったけど。
市電には少しだけ乗った。ゴムタイヤで走る不思議な地下鉄にも乗った。
なんだか、ゆりかもめが地下を走っているみたいな乗り味だった。

Colaオマケその2、函館市電。
先に紹介したのはFOMA仕様、こっちはコーラ仕様。
広告電車が来るとがっかりする鉄道ファンも多いみたいだけど、いろいろなデザインの電車が来るのを楽しむのも悪くはないんじゃないだろうか。どうせ時間もあったし、歩いていて吹き流されそうな強風でなければ少し乗りたかったのだが。

S-40 スーパー白鳥
S-40 スーパー白鳥

「札幌〜東京 鉄道乗り倒し記」への3件のフィードバック

  1. いや~いいですね、全部読まさせていただきました。
    仕事とはいえ鉄道の旅・・・憧れます。
    僕が鉄道の旅をできるのはいつ頃か・・・・・。
    読んでいて非常に面白かったです。
    また鉄道の旅などがあったらレポートよろしくお願いします。

  2. ありがとうございます。
    まぁ時間の使い方としては贅沢でしたね。
    でもやっぱり疲れました・・・。

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